福山誠之館中学校校歌


                         樋口慶千代 作歌(明治32年卒)

一 神仙遊ぶ瀬戸海の 漣波渚に私語きて
  雄峻幅広る熊が峰 香雲の外に聳え立ち
  沼々廻る芦田川 蛟龍大地に横たはる

二 あはれ天地の正大気 秀麗ここに鐘れる
  葦陽城下の我が校は 良徳公の創設に
  烈公名づけし誠之館 語りて光栄の歴史あり

三 星霜移り人去れど 遺韻流れて常へに
  御霊となりて輝けり 夫れ我が千余の健男子
  忠孝の大義を礎として 学びの道を励むべし

四 宏大剛毅の徳を積み 廉恥の風に帆を揚げて
  鍛えし文武の舵をとり 誠之のみ旗翻し
  怒りて吼ゆる空蝉の 世の荒波に船出せよ

五 嗚呼方寸の精誠は 中に溢れて張り弓の
  有為の気概外に動く あはれ中州清淑の
  み空を凌ぐ高城の 誉れは高く歌はれん